「えっ、な、何?」
「神村さんってさー、なんで俺と目ぇ合うと逸らすの?」
...驚いた。
わざわざそんなこと言いに来たんだ。
ナツキはコウタやシンゴと一緒に行動していることが多い。
その二人がハンド部のミーティングに行っちゃったから暇なのかな。
そう思いながら、なんと言おうか迷い、もっともな言い訳をする。
「いや、つい反射的に...人と目ぇ合うと、なんか気恥ずかしくならない?」
「だってカトミチとかと目ぇ合うと寄ってくじゃん。差別だ差別!」
...カトミチとは、ミチコのあだ名だ。
フルネームの省略形として、サッカー部の人たちには呼ばれているらしい。
やはり少し不満気に言うナツキに、なんと言おうか少し迷う。