「じゃーなナツキ!」

「俺たちがいないからってさみしくて泣いちゃうなよ〜?」

「黙れ!さっさと行け!」








視線を向けると、ナツキ、コウタ、シンゴの安定三人面子が、いつも通りはしゃいでいた。










入学式の放課後の会話通り、ナツキはサッカー部、コウタとシンゴはハンドボール部に入部したようだった。







この三人はとても面白く、顔も整っているため、クラスの女子はもちろん、他クラスや他学年の女子にも爆発的人気があるようだ。



ミチコとナツキは特にサッカー部繋がりで仲が良いため、必然的に私ともよく喋ることになる。



男子と話すのは正直得意じゃないと自分では思っていたが、
彼らとは喋りやすかったため、仲良くなっていくのも自然なことだった。












ボーッとナツキの方を見ていると、ふとこっちに視線を向けたナツキと目が合った。


気恥ずかしくなり、慌てて目をそらす。





すると、彼が席から立ち上がって歩き出した。





何処に行くのかな、なんて思ったが、私の方に向かって来ていることに気づくのが二秒後。


足が長いため歩くのが早い彼はすぐに私の席まで辿り着いて、話しかけてきた。












「なあなあ、神村さーん」





私の机の横に立ち、私の目を見てくる彼の顔は、何処か少しだけ不機嫌なようだった。