「神村さーん、ありがとー!!」
...えっ、私の名前、把握されてる?
昨日私、名前教えなかったよね?
ゴミを捨ててから再び男子らの方を向くと、そのうちの一人が手を振っていた。
...ナツキだ。
「どういたしましてー!」
笑顔で叫んでから、改めてレンのところに向かう。
「うわーぁ、アリナもう馴染んでんね!いいなぁ」
「いやいや、名前覚えられてんのマジびっくりした!はい、教科書」
「おっ、サンクス!あそこの人たちイケメンだねえ」
「あんたは男の顔しか見てないんか!」
「だって八組はイケメン多いらしいよ?」
「えっそうなんだ」
確かにあそこの三人は確実にカッコいい部類に入る。
正直私はイケメン好きとかそういうのじゃないから、興味はないけど。
「やば、授業始まる!アリナありがとうね、また後で!」
「はいよ〜」
嵐のように去ってくカレンを見て、彼女もクラスで楽しくやってそうだなと思い、密かに安心する。
席に戻り、チャイムが鳴った。
二時間目は、現代文だ。