ーーーキーンコーンカーンコーン


一時間目の授業が終わった。






「アリナ!」




終わったと同時にヒトミが話しかけてきた。


彼女の席は私の右斜め後ろなので話しやすい。






「朝っぱらから数学とか疲れるわ〜...」

「それなー。あはは」

「ヒトミは数学好き?」

「うーん、英語の方が好き!アリナは?」

「私は数学好きだよ!多分理系進むし」

「リケジョか!かっこいい!」




そこまで喋り、ミチコも会話に入れてあげようかと思い振り向いた。


すると、ミチコは席におらず、ひとつ前の席の子と喋っていた。


...頑張ってるな、と、微笑ましくなった。
心の中で応援する。





「次の教科なんだっけー?」



話題を変えて、ヒトミに問いかけた。



「んーっと、次は...」












「アーリーナーッ!!」









ヒトミの声を遮るように廊下の方から聞こえてきた大声に、デジャヴを感じながら視線を向ける。






案の定、本当に案の定、教室の出入り口にカレンが立っていた。