神村亜梨菜。


今日から、高校一年生になる。


十五歳、春ーーー。






















【四月一日】











「...〜♪〜...♪〜...」





小唄を口ずさみながら、真新しいセーラー服の袖に腕を通す。


特徴的な色のこの制服は、地元ではダサい制服だと有名である。


高校の校則が厳しめで、スカート丈を短く出来ないのも理由のひとつではあるが。








「まぁ進学校だしね。仕方ない仕方ないっ♪」







お洒落には鈍感、言い換えれば興味がない。


なんの躊躇いも不満もなく、スカートを膝丈よりちょびっと上に合わせる。





個人的には好みのセーラー服なんだけどなぁ。


他市では萌える制服第一位だとからしいし、一回着ちゃえば見慣れるし。









「よしっ、完璧!」



制服の襟、白いリボン、紺のスカートに皺が無いか確かめて、私は部屋を出た。