「...いやー、アーちゃんが...すごいなあって思って」
「...え、すごい、とは?」
予想外すぎる言葉に驚き、素っ頓狂な声が出た。
「私、初対面の人に話しかけられなくて...人見知りで」
...あぁ、そういうことか。
だから今も、教室に来ても私たちの会話に入って来れなかったんだ。
カレンも人見知りなので、悩んでるのはよく分かる。
私がサッと気づいて入れてあげればよかった。
「だから、アーちゃん尊敬する。誰にでもまっすぐ話せるところが、すごいなあってほんと思うんだ」
苦笑いしか浮かべられなかった。
...違うんだよミチコ、私は真っ直ぐなんかじゃない、真逆だよ。
人間の裏を知ったから、人間の心を読むのが上手くなっちゃっただけなんだよ。
そんな黒いことを考えている自分に自己嫌悪した。