ナツキの言葉で少し緊張の解けた私は、笑顔を浮かべることができた。
「うん、よろしく!」
「で、こいつは山上慎吾。俺らはシンちゃんって呼んでるけど」
「うっす」
「シンちゃんも、よろしくね!」
言いながら自分の席に向かい、机の中から携帯を出す。
「あ〜、学校に携帯持って来てる!悪い子だ!」
笑いながら、茶目っ気たっぷりな声でコウタが叫んだ。
「だってHR暇だったんだもん!」
「あー確かに。僕も半分寝てた!」
「あはは!じゃあねみんな、また明日!」
三人に手を振ってから、教室を出る。
階段に向かう途中、そういえば私名乗るの忘れたな。なんて思った。
予定より時間がかかってしまったため、急いで階段を駆け下りて、その勢いでカレンの待つ自転車置き場に走った。