「大丈夫だって。お前なんかに興味ない奴とかもいるから。」

「知ってるよ。男子だろ?」

「女子。ホラあそこ、角でカフェオレ飲んでる子。」

指をさされ汗が背中にブワッと流れる。
有名人に指をさされるとこんなにも嫌な気持ちになるのか。

皆の目線がこちらを向く。
私は何事も無かったかのように教室に戻りたくなった。

「ちょっと美波!アンタ指さされてるよ!」

「穴があったら入りたい・・・」

「何でそんな死んだ顔してんのアンタ!?」

顔に絶望の二文字が表れていたらしく一回それを直し再度先輩たちのほうに目を向ける。

「・・・・・・・」

「ほら、あの顔は何で指さすんだよの顔だぜ。」

「いいから颯太黙ってて。」

多分ああいうところが藤先輩の良いところなんだなーと心の中で思った。
今は良いところではないけど。

「私は死んだ魚になりたい・・・。」

「絶望するな美波!アンタの人生これからだよ!」

ポツリと呟く私の言葉に的確にツッコミを入れてくれる那美。
ボケてて良かったと思える。

「ねぇ、君!」

呼ばれた。
相原先輩に呼ばれた。

「・・・・・いっそ死にたい。」

「死なないで!生きろ!」