電車に乗ると
さすがに早朝だから人もまばらだ


空いてる席を見つけ出して座った。
一息ついて周りを見回す。
斜め前の女子高生がかなりの勢いでマスカラつけてる
…アタシもメイクしよっかな…
女子高生に気づかれて慌てて目をそらした
電車はまだ出発しない。
空は青いけどアタシの気持ちは不安色 早く出発しないと
弱虫に天国へのチケット食われちまう

アタシはカバンを抱えて
電車をおりる衝動と戦った。
まだ…
まだ…
まだ…


電車のベルがなったチケットは無事だった。
扉が閉まる。
ホッとして笑みがこぼれた。
ママ…行けるよ…天国に…
走り出した電車は光をいっぱい浴びて 輝いている。
アタシの進む道が照らされている
まぶしくて目をギュッと閉じた。


「まぶしい?」 聞きなれない声に驚いて目を見開いた。まだ光に目がくらんで姿が確認できない「しめよっか?」 少し恥ずかしそうに微笑んだ男の子。 サラサラの髪が天国の光で茶色く光ってる
アナタが軽く腰をあげ窓のシェードを下げたから
アタシは初めてアナタを直視できたんだ