「そうですね。
じゃあ、後で病院に……」



「パパ!パンケーキ!パンケーキ!」

小太郎はいつものように席に着き、おやつを待っていた。
昨日、「明日はチョコのパンケーキを作ってやる」って約束したことを僕は思い出した。



「小太郎、ごめん……
パパ、今日はちょっと身体の調子が悪いから、バナナで我慢しといてくれ。」

「えーーー……
今日、作ってくれるって言ったのに……」

今までにこやかだった小太郎の顔が、急に不機嫌なものに変わった。



「治ったらすぐに作ってやるから、な、今日はバナナで我慢しといてくれ……」

「だったら、私が作ります。
パンケーキなら私にも焼けますから。」

「いえ、良いんです。
そんなことまでしてもらっては申し訳ありませんから……」

「お気になさらないで下さい。
材料のある場所だけ教えて下されば、あとは大丈夫ですから、堤さんはお休みになって下さい。」

「でも……」


そんなことまで…とは思ったが、女性がけっこう強行にやってくれると言うので、僕は材料の場所を伝え、ソファーで横にならせてもらった。