『……うやッ 凍也!!』
『……ん……』
次に目が覚めた時、白く消毒臭い部屋に自分はいた。
『馬鹿凍也!! ボーとしてるから事故るんだ!!』
ベッドの横にいた友人は、涙を流して怒鳴り散らす。
……病院?
『……ッ朔は!?』
ガバッと起き上がり辺りを見回すと、そこには家族と友人しかいなかった。
朔は夢だったのかな……
ふと窓を見ると、ガラスに映る自分と目が合った。
【キスマークが消えるまで】
首すじには小さな……
まるで桜の花びらのような薄ピンク色の痣が……
『なぁ…… キスマークだよな? コレ』
恐る恐る友人にたずねると「俺の仕業じゃねぇ」と赤くなって答えられた。
当たり前だ、馬鹿。
【消えるまで恋人だよ】
夢じゃなかった。
朔は側にいたんだ。
『決めた』
『何が?』
『お前、この間「凍也のことカッコイイって言ってる子がいる」って言ったよな?』
『あ、あぁ言ったけど』
『アドレス教えてよ』
『はぁ? 凍也、事故で頭おかしくなった!?』
『気が変わったんだよ』
笑顔でそう言うと唖然とされてしまった。
キスマークが消えたら……
桜でも持って墓参りに行こうかな。
それから……
それから一歩、もう一歩。
前に進んでみようか。
そんで何十年も経って、俺がジイサンになって……
そしたら朔に会いにいくから。
ジジイだからって逃げんなよ?
いつか朔への愛情は消えていくかも知れない。
でも朔がいた事。
朔を好きだった事。
それだけは忘れない……
『永いな……』
次に会う日に、もう泣かせないように……
【END】
『……ん……』
次に目が覚めた時、白く消毒臭い部屋に自分はいた。
『馬鹿凍也!! ボーとしてるから事故るんだ!!』
ベッドの横にいた友人は、涙を流して怒鳴り散らす。
……病院?
『……ッ朔は!?』
ガバッと起き上がり辺りを見回すと、そこには家族と友人しかいなかった。
朔は夢だったのかな……
ふと窓を見ると、ガラスに映る自分と目が合った。
【キスマークが消えるまで】
首すじには小さな……
まるで桜の花びらのような薄ピンク色の痣が……
『なぁ…… キスマークだよな? コレ』
恐る恐る友人にたずねると「俺の仕業じゃねぇ」と赤くなって答えられた。
当たり前だ、馬鹿。
【消えるまで恋人だよ】
夢じゃなかった。
朔は側にいたんだ。
『決めた』
『何が?』
『お前、この間「凍也のことカッコイイって言ってる子がいる」って言ったよな?』
『あ、あぁ言ったけど』
『アドレス教えてよ』
『はぁ? 凍也、事故で頭おかしくなった!?』
『気が変わったんだよ』
笑顔でそう言うと唖然とされてしまった。
キスマークが消えたら……
桜でも持って墓参りに行こうかな。
それから……
それから一歩、もう一歩。
前に進んでみようか。
そんで何十年も経って、俺がジイサンになって……
そしたら朔に会いにいくから。
ジジイだからって逃げんなよ?
いつか朔への愛情は消えていくかも知れない。
でも朔がいた事。
朔を好きだった事。
それだけは忘れない……
『永いな……』
次に会う日に、もう泣かせないように……
【END】