ゼロカウントで動いたのは、小泉だけじゃない。
レストラン入口と厨房に繋がる通路の二手から、突入部隊が一気になだれ込む。
盾にされていた人質4人を保護し、
ナイフを失った桂田を、引き倒すように床に捩じ伏せた。
うららも桂田から引きはがされ、突入部隊の一人に無事保護されていた。
小泉が飛び下り、ナイフを蹴り飛ばし、
突入部隊が人質を保護して犯人を押さえ込むまで、わずか4秒ほど。
実に見事な、連携プレーであった。
保護されたうららは、レストランから出されてもまだ震えていた。
女性警察官がうららに付き添い優しく慰めてくれるが、
恐怖が収まらないようだ。
そこに、仕事を終えた小泉が近づいて行く。
うららは小泉の姿を見ると、駆け出してその胸に飛び込んだ。