レストランの構造は、広く大きなガラスが、天井付近まで伸びていて、
街並みを楽しみながら、食事ができるようになっていた。
窓の開閉は、厨房にあるスイッチで。
天井付近の高い位置に窓があるため、電動で動く仕組みになっている。
厨房には、大勢の警察官が待機していた。
裏口から静かに入り、客席に突入の合図を待っている。
厨房から客席は見えないが、客席からも厨房は見えない。
厨房に潜む警察官が、窓を開けるためのスイッチを押した。
無音でゆっくりと開く窓。
外側に倒れるように大きく開き、外の騒音が店内に入ってくる。
窓を開けたことに気付かれる心配があったが、
犯人はうららの首にナイフを突き付け、興奮中。
加えて、入口付近の機動隊がわざとザワザワして見せたので、
窓について、何か思われることはなかった。