「キャア」と短い悲鳴が聞こえた。


その声は、うららのものであった。


不運にも一人目に選ばれてしまったうららに、

小泉の我慢が限界に達した。



堪え切れず刑事達を掻き分け、前に出る。


レストラン入口を遠巻きに囲む機動隊の間から見えたのは、

うららを片腕で拘束し、白い喉にナイフを押し当てている犯人の姿であった。



うらら以外の女性4人は、横一列に並ばされている。


犯人を射撃できないよう、盾として使われていた。



皆、恐怖に震えている。


緊張と恐怖が2時間以上も続き、うらら以外の女性達も、辛い状況に変わりなかった。