犯人が立て籠もってから、2時間が経過していた。
言葉での説得に、限界を感じ始めていた。
何とか隙を作れないかと、人質女性に飲み物の差し入れを申し出たが、犯人はそれを拒絶。
人質は殺すつもりでいる。
飲み物など与える必要はないと言うのだ。
指揮官の小山内は、動き出していた。
編隊を組み、突入の準備を着々と進めていた。
陰で動いていたつもりだが、犯人は警察の動きの変化に気付いてしまった。
折角落ち着かせたばかりなのに、また興奮してしまう。
レストラン内から、桂田の大声が響いた。
「てめぇら、何コソコソ動いてやがる!!
入ってきたら、女をぶっ殺すからな!
マジだぞ?こっちは本気で言ってんだぞ?
動くなって言ってんだろ!!
警察のクソ野郎が…ナメやがって…
一人目を殺してやるから、よーく見やがれっ!!」