自業自得であるのだが、桂田は逆恨みした。


自分を訴えたのは、痴漢の被害女性。

裁判で目撃を証言したのも女性。


婚約者の女性は自分を罵り、母親からも見捨てられた。



桂田の中に、女性に対する憎悪が膨らんで行く。


辛い状況に立たされのは、みんな女のせいだと…


そうして、この事件は起きてしまった。



北武百貨店で切り付けられた買物客は、全員女性であった。


人質になっている5人も、女性ばかりだ。



ネゴシエイターとの会話で、桂田は女性への恨みをツラツラと語った。



犯行目的は、女性への復讐。


これはやっかいな目的で あった。



金銭の要求など、具体的な目的があるなら、交渉しやすいのだが、

これは説得に時間が掛かりそうな雰囲気であった。