知本は、血が出るほどに唇を噛み締めた。


そして、うららを抱き上げ階段を駆け下りた。



「いやっ 下ろしてっ!
小泉さんっ 小泉さんっ!
イヤーッ!!」



うららがどんなに叫んでも、知本は離してくれなかった。



階段を下りきって、廊下の窓を蹴破り、外へ飛び出す。



それと同時に一際大きな爆発が起き、爆風で二人は吹っ飛ばされた。



危機一髪の状況で無事に脱出した二人。


うららは知本の腕に守られ、雪原に転がった。




三階建ての校舎は、崩壊していた。


元がどんな姿であったか、分からないほどに。



コンクリートの壁や天井が、瓦礫の山となり、

所々で炎が上がり、黒い煙りが風に流されていた。