すぐに外から、退却命令が聞こえた。
信者達にも届くよう、爆発寸前であることが、拡声器を通して伝えられた。
それから間を明けず、最初の爆発が起きた。
杉村の言った通り、3階から始まった爆発だ。
ドンドンと2回続けて、爆音が響き、
少し間を置き、今度は4回続けて爆音を聞いた。
天井からバラバラと、化粧板が落ちてくる。
すぐ側に、古い蛍光灯が落ちて、破片が散らばった。
うららはその場に座り込んだまま、
放心して宙の一点を見詰めていた。
小泉がうららの腕を取る。
「逃げるぞ。このフロアも直に崩れる。立て」