杉村は10年間、ずっと悔しさと怒りの中にいた。
自分が捕らえた犯行グループの内、刑務所行きは4分の1ほど。
死刑判決に至っては、数人だ。
無実の民間人や同胞を何百人も殺されたのに、
それっぽっちの刑罰しか与えない警察と司法に、杉村は絶望したのだ。
杉村は忌ま忌ましげに当時を語る。
「あの捜査の指揮をとったのは、桜庭警視長だ。
あの人も甘かった。
アバタリを自分の娘にするなどと…甘すぎて優し過ぎて、吐き気がする。
小泉… アバタリをこっちに寄こせ。
お前も本心では憎んでいるのだろう?
お前の両親を殺したのは、破壊の光だ。
まだガキだったお前から、親を奪ったんだ。
さあ、アバタリを寄こせ。
その娘も… 無関係じゃ済まねぇんだよっ!!」