この建物には、抜け道があちこちに作られていた。


今の螺旋階段が無理なら、別の場所へ。


丸山はそう考え、うららを引っ張り、その部屋から出た。



2階の廊下には、まだ警察は到達していなかった。



一階では激しい戦闘音が聞こえてくる。


どちらが打ったのか分からないが、パンパンと乾いた発砲音も聴こえている。



丸山は2階の廊下を走る。

別の隠し階段に向かおうとしていた。



白服の女達が前線への武器の補充に、物騒な物を抱えて走り回っていた。



うららはどうして良いのか分からなかった。



丸山が母親だというショックはまだ頭の中を駆け巡り、

うららの思考を邪魔していた。



そして、突然の戦闘も。


全てが自分の理解を越えてどんどん進むため、

気持ちも考えも追いつけない。