丸山は憤慨した。


うららの頬を平手打ちし、怒声を浴びせた。



「教団の姫である前に、お前は私が産んだ娘だっ!

娘なら、母親の言葉に従いなさいっ!」




うららは驚き、強い衝撃を受けた。


丸山陽子が、自分の産みの親…


父親だけでなく、母親まで狂った人間だと知り、絶句した。



丸山陽子に母親らしい感情はなかった。


彼女の頭の中は、敬愛する教祖を蘇らせることだけ。


娘が泣き叫んでも、哀れむことのない女だ。



うららは到底、丸山を母と呼べなかった。




衝撃真っ只中のうららは、ズルズルと引きずられて行く。



向かったのは、壁に掛けられた宗教画、破壊神シバの前だ。



その絵をめくると、裏は隠し扉があり、抜け道になっていた。