静かな広間に、丸山の声が響く。



「これより聖受胎の儀式を始める。

マハーカラ様が再び降臨されますよう、皆は聖文を唱えよ」




信者達は床に座ったまま、両手を天へ掲げた。


そして、同じ文句を唱えだす。



意味不明で、何語かも分からない言葉が斉唱され、

途切れることなく繰り返された。



うららは泣いていた。

怖くて怖くて仕方ない。


体がガタガタ震え、死刑台に立たされた気分でいた。



白服の男4人が近づいてきた。


薄気味悪い男達。

8本の腕がうららに向け伸びて来て、うららは逃れようと暴れた。



抵抗も虚しく、うららはたちまち押さえられる。


ベッドに寝かされ、両手足を4人がかりで掴まれ、身動き取れなかった。



泣き叫ぶうららを助ける者は、ここにはいない。



皆、嬉々として不気味な言葉を唱え続けるだけである。