入った場所は前と同じ、視聴覚室と札がついた大部屋。
中の様子は、さっきと違っていた。
部屋の中央に、長方形の台が置かれている。
それは白い絹織物ですっぽり包まれ、小さめのベッドに見えた。
4つの燭台にロウソクが灯り、揺れる炎が怪しげにベッドを照らしている。
大勢の信者達が、それを囲むように幾重にも輪になっていた。
彼らの様子は、さらに異様さを増していた。
目が血走り、口からよだれを垂れ流す。
大声で叫び、跳びはねている者や、奇妙な歌を口ずさむ者…
皆、正気ではない。
うららがベッドに下ろされた。
信者達は、アバタリの名を叫び熱狂する。
中央に立つのは丸山陽子。
彼女が手を上げると、信者達は静かになり、一斉に平伏した。