黒川が隣に座ると、藍子はじっと見つめてこう言った。
「黒川さんのことがすき。好き過ぎて本当に苦しいよ」
もう私は周りさえ見えていなかった。
もうどうでもよかった。たとえ誰かを傷つけてしまっても。
藍子は胸元を引っ張って唇を奪った。
「ばか。もう戻れなくなっちゃったよ」
そう言うと、黒川は私の顎を引いてこう言う
「俺の唇、タダじゃないんだけど?」
そしてまた唇が重なった
「俺のこともう見つめないで。男だからさ。止められなくなる」
私はただじっと見つめていた。
そして二回目のキスはどんな意味があったのか
頭の中をぐるぐるしていた。