仕事が終わるや否や黒川さんが駆け寄ってきた







「じゃ、行きますか」






「は、はい」





黒川さんの後に着いて行くと、連れられた場所は個室の居酒屋。





「あの、他の人は来ないんですか?」




「二人だけ」






そんなこと想像するはずがない。





二人っきりだなんて、誰が想像する?





わたしが、もし勘違いしたらどうするつもりなの。





私の気持ち知ってるから?だから弄んでるの?





嬉しいのにネガティブなことしか浮かんでこない。







だってそうでしょ。自惚れて悲しさが増えるよりマシだもん。