そして、その後の中村さんの言葉に耳を疑った。









「本当は昨日お開きの後、黒川さんが川奈さんを送っていこうとしてた」





「え、え、、?黒川さん?」








「うん。でも、川奈さんが黒川さんのこと好きなの知ってたから、余計に焦っちゃってさ。ごめんね。今隣りにいるのが黒川さんだったら凄い嬉しかったよね」










昨日の夜は、きっと沢山の人に迷惑をかけて、そしてもちろん黒川さんにも迷惑をかけてしまったんだ。











ただ、黒川さんの事を話す中村さんは凄く切なそうで、寂しい顔をしてた。









「気にしないでください。どうせ黒川さんは私がどう頑張ったって無理なんです。好きだけど、幸せな家庭を壊すようなことはできない。恋愛にも限度があるんですよね」














もうとっくに分かってた。今更悲しくなんかない。この恋ははじめることすら許されなかったんだから