――ダンダンダン


体育館に響く、音。



その音の元を辿れば、私の大好きなヒトの手元。


真剣な目をした先輩の手からボールが離れると

まるで、弧を描くようにゴールへ吸い込まれて行く。



「先輩。


こっちむいて、」