「おーい。晃~今日どうする?」
そうやって声をかけてくるのは俺の親友。
野々宮 悠(ののみや ゆう) 小さい頃からの付き合いだ。
ちなみに俺は、新庄 晃(しんじょう あきら)
「今日は行かねえ。同じ女ばっかあきたわ~」
きっと、これだけの会話で俺らのことは分かると思う。
そう、ただの遊び人だ。生まれた時から顔だけは恵まれていたから、
何を言わなくても女だけはうじゃうじゃ集まってくる。
まあ、そいつらは顔しか見てねえから、その時だけ夢中なふりをしてやれば
それだけで満足する簡単な奴らだ。
俺らはどんだけ軽蔑されても平気だ。女たちも俺らを利用してるんだから。
「晃~、そんなこと言ってると女の子離れるよ~?」
ねえ?と悠がウインクするだけで、
「きゃあああ、ゆうくうううん、あきらくううん」
朝からまじでうぜえ。つうかそんな甘い声どっから出てるんだよ。
本当は女遊びなんて意味がないって分かってるのに、
やめられない俺らはマジで子供だ。時々情けなくなる。
だけど、何かにすがりたいんだよ。
この時からきっと僕らの運命の歯車は回り始めてて、でも、呑気な俺は
気づかなかったんだ。気づこうともしなかったのかもしれない。
気づいてたら何かが変わっていたのかな?