裏門に着く。

まだ来ていないようで、辺りを見回しても人1人居なかった。

まあ、まだHR終わって5分だし。

多分悪いのは俺だ。

門に もたれて一体どんな物好きだろう、なんて思いを馳せていると。

「あ…あの…っ…!」

後ろから声が掛けられた。

振り向くと、そこに居たのは

「あ―・・・お前――」

あの朝の少女だった。

「えっと…手紙、私で…っ」

うろうろと目を動かしながらそこまで言うと、自分の手で顔を覆う彼女。

耳まで真っ赤だ。

「お前…前、筆箱拾ってやった奴だろ」

と言うと、彼女は潤んだ目を見開いた。

「覚えてて…くれた、んですね…!」

「あ、まぁな」

あんな転び方する奴、中々忘れられない。

っていうかあの、どうすれば。

相手、目開いたまま固まってるんだが。

「あの」

と声を掛けると、彼女は目をパチパチさせて我に返ったようだ。

長いまつげがせわしなく動く。

よく見ると目でかいんだな。

全体的にミニサイズだから気付かなかったけど、顔の小ささの割には大きい目。

へぇー。

じっと観察していると、

「あ、あの…っ?」

と顔がまた隠れてしまった。