その瞬間、私は海斗の手を掴んで走り出した。

必死で走った。

後ろから海斗と舞友の動揺の声が聞こえたけど無視して。

「ハアッハアッ…。」

神社の裏側で止まった。

相当苦しかったけど、息を付かず喋り出した。

海斗が話す前に。

「へん…っじ、聞かせて…。」

「はっ…?」

「お願い…。それだけ聞いたら、私帰るからっ!」

「えっ⁉︎でも…。」

明らかに困っている。

だけどもう後には引けない。

「正直にっ…言って…?」

ドクドクと波打つ心臓。

それはフラれる未来へのカウントダウン。