優雨くんが、
凄い剣幕で男の子の胸ぐらを掴んでいた。



「何…って、別に何にも……」

「何にもじゃねーだろ!!

じゃあ何で、津高泣いてんだよ!!」


優雨くん…?

な…何でそんなに怒ってるの…??




「もう一回殴られてぇか!!」

優雨くんの声が、私達しかいない廊下に響き渡った。



「すっっすみませんでしたっっ」

「ケータイ貸せ」


優雨くんが思い切り睨む。


「ははは、はいっ」


男の子は、声を震わせながらも
優雨くんにケータイを渡した。



カチカチ……