1ヵ月後
椿達は、あの日の喧騒から離れるように、元の生活を過ごしていた。
大怪我を負った禮漸は、まだ、右腕と左足の骨折がいえていない為、ギブスをつけて生活中。縁側で柱にもたれながら、畑作業をする椿達を眺めながらこう心の中で呟いた。
“今の俺の住む世界なんだよな、これが。”
と・・・
「禮漸さ~ん!」
畑から椿がサツマイモを持ったまま大きく手を振る。それを見た禮漸も大きく手を振って返す。
椿は、あの事件が解決してからも塞ぎ込んでいたままであったが、次第に回復。今は、家の畑に出るくらいはできるようになった。
その頃、祇儀達がいるあの世では・・・