「よ、よろしくお願いします。」
「それにしても、姉貴から聞いてたとおりっすね。」
「なにがじゃ?」
「もうこれは、美佐子さんそっくりでしょ!旦那の要素なしっすよ(笑)」
笑いながら、椿のことを語る広重。椿はきょとんとしながら「そんなに母に似てますか?」と言葉を返した。
「激似!!本当、すんごい似てる。」
「ここまで似ておるのも珍しいような気がするのう。」
凛香と広重は、お互い顔を合わせながらそう話すのだった。
「そうじゃ、もうひとつ聞きたいことがあるのじゃが。」
凛香のその言葉に少し顔を引きつらせる遊佐と砂靭。それを見た凛香は「何もせん、そう固くなるな。」と話した。
「おぬし達はそうしてここに私達がいることがわかったのじゃ?」
その問いに広重がこう答えた。
「兄貴(=祇儀)から“この旅行で何かあったら姉貴と椿ちゃんをここに送るからよろしく”と・・・」
さらに砂靭は・・・
「俺達は、清澄さんから聞きました。」
と答える。
「あいつ・・・。」
少し顔を紅くさせながらも、むすっとする凛香。それを見た椿は、ばれないようにクスっと笑った。