「どした?」
「あぁ、飯もって来てくれたんだけどさ、なんか聞いてたのと違う気がするんだよね。」
緑涼と隼丸。
普段いがみ合っている彼らが、この時ばかりは様子を伺うように接していく。そして、彼女の後ろに深波、弦九朗がスタンバイしたのを確認すると・・・
「てめぇ、誰だ。」
隼丸が彼女に銃を向ける。すると彼女は「お客様・・・」と一言呟くと、持っていた配膳を投げ出し、隼丸をナイフで切りつけようとする。しかし、後ろにいた弦九朗と深波が、彼女をその場で取り押さえた。
彼女の目を見た弦九朗。
“もしや・・・”
そう思いながら、着物の襟をぐっと引っ張り首筋を確認する。
「やっぱり・・・くそっ!」
彼女の首の右側に小さな黒紫の蝶の模様。
隼丸も深波もそして、後から駆けつけた清澄もその模様を見て愕然とした。
「変わった蝶の模様だべな。」
何も知らない緑涼は、なにげなくそう話すと、清澄はこう話し始めた。