椿の時計が昼の12時を指し始めた頃、窓の景色は緑から蒼へと変わっていった。
コンコン
「ほ~い。」
緑涼は部屋のドアを開ける。そこにいたのは、この列車のスタッフの女性。着物姿の彼女は「お食事をお持ちしました。」と言って、部屋に上がろうとする。しかし、何か様子がおかしい。
緑涼は、いやな予感を感じながらその女性に対応する。その間に、わざと持っていた本を床に落とす。
「おい、人間。」
「何ですか(怒)」
「お前、そこに隠れてろ。」
真剣な表情で、風呂場を指差した隼丸。その表情で何かを感じ取った椿は、荷物を持って風呂場へ向かっていく。それを見届けた隼丸は、深波、弦九朗、清澄に連絡を取る。そして、腰元に銃を隠して玄関へと向かった。