数分後
「おまたせ・・・しました。」
そこには、Tシャツとジーンズ姿の椿の姿。
何も飾らない姿でそこにいた。
「椿らしくないのう。」
リビングにいたのは、凛香。いつものスーツ姿とは違い、大人の女性の休日といった雰囲気のスタイル。
「凛香さ・・・」
「凛香~!!」
縁側から颯爽とやってくる祇儀。椿はその男を見ると人の姿に戻った火燐の後ろに隠れてしまう。
「タイミング悪いのう・・・(呆)」
そう呟きながら、祇儀の頭をぽんと叩くと椿に祇儀のことを紹介した。
「椿ちゃん、初めまして。祇儀です。よろしくね(笑)」
きらきらと輝き、透き通った大きな瞳がじっと見つめている。そんな彼を見て椿は安心したのか「よろしくお願いします。」と小さな声で挨拶をした。
「よろしく(笑)それにしても、本当、美佐子さんそっくりだ。正嗣の遺伝子0だね(笑)」
「父の事知ってるんですか?」
「うん。正嗣が小さな時から知ってるよ、ね(笑)」
笑いながら凛香にそう尋ねる祇儀。すると凛香も「そうじゃな(笑)」と答えた。
すると、畑から戻ってきた緑涼と禮漸そして、弦九朗が戻ってきた。
「大王!奥方様もどうされたんですか?」
「どうされたって・・・今日休みとったんだ(笑)」
「私は、こいつ(=祇儀)の見張りも兼ねてな。一人にしたらどこに行くかわからんからのう。」
「じゃ、どうして清澄さんもいらっしゃてるんですか?」
弦九朗はそういいながらキッチンを指差す。そこには、全員の朝ごはんを用意する清澄の姿が・・・
「私が頼んだのじゃ。見張りが私だけじゃ足りない気がしてな(呆)」
「僕がそんな奴に見える?」
「見えるとかじゃない。事実を言ったまでじゃ。」
凛香と祇儀のやり取りを見ていた椿。そんな光景を見続け手いた彼女にいつの間にか笑顔が戻っていた。