「めんこいの~(笑)」
「人間の気配がすると思った、こういうことかよ・・・」
椿の視界に入ってきたのは、黒甚平姿の厳つい男と白のタンクトップの上から黒のジャケットを羽織る細身の男。
黒甚平の男は、きょとんとする椿を抱え上げると、狐姿に戻ってしまった火燐の首をつまんで持ち上げる。
「離せ~!!痛いべや!!弦九朗!!」
「嫌じゃ、おとなしくしろ(笑)」
「っていうか、あなたたち誰なんですか?!」
パニックになる椿を下から覗き込む細身の男。そして、椿の目を見ながら・・・
「人間のお前に名乗りたくはないが、冥土の土産に教えてやる。」
と上から目線で言葉を投げつけた。
「いいか覚えておけ、人間!俺の名前は隼丸(はやまる)閻魔大王の側近、そしてすべての世界の空を支配する鴉天狗様だ!」
あまりにも見下した物言いにキレる寸前の椿。その状態を感じたのか、甚平姿の男が声を掛ける。