いきなりのカミングアウトで、弦九朗だけでなく、正嗣も驚きを隠せないでいる。しかし、祇儀は、話を続けた。
「一度だけ、仕事でその場所に行った事があるんだけど、大人、子供、性別も種族も関係なくみんなそこにやってくるんだ、様々な事情抱えて。僕はね、子供を育てることも、今度から僕がやる仕事も“必ず誰かと関わって”“必ず何かを勉強して”自分も成長させるものだと思うんだ。だから、君も一緒にそこで勉強してみる?」
「勉強・・・俺みたいな“ろくでもない奴”でも・・・いいんすか?」
「勉強に制限なんてないよ。」
「・・・正嗣君。」
「は、はい(慌)」
「いきなりだけど、この子達の事頼んでいいかな?」
「はい、いつでも大歓迎ですよ(笑)」
「すでに、二人いるしね(笑)」
二人・・・この言葉に驚いた弦九朗は思わず「二人・・・?」と聞き返してしまった。
すると、祇儀はこう話す。
「あっ、正嗣の家にはすでに鬼が二体住んでるんだ。僕はまだ会ったことないけど(笑)」
と・・・
「いつでも遊びに来てくださいよ!凛香はよく、往診途中に休憩とかいって顔出してくれますよ(笑)」
「そうなんだ!意外なこと聞いた(笑)」
そんなたわいもない会話をしている彼らを見て、弦九朗は“この人なら任せられる”と思っていた。