(6・26 AM6:25)


「ふぁ~っ!」


いつものように、部屋で目を覚ます椿。外は雨がやみ、雲の切れ間から太陽の光が顔を出し、部屋に光を与えていく。服を着替え、櫛でもつれた髪をほぐし整えていたそんな時だった・・・。


「椿ちゃん・・・。」


かすかに聞こえる小さな声。
椿が足元に目をやるとそこには狐姿の火燐が泣きそうな目で見つめている。

「火燐さん?」
「椿ちゃん、今部屋出ちゃだめ。」
「どうしてですか?」
「ぉ・・・お客さんが来てるから!」
「お客さん?だったらお茶出さなきゃ・・・。」
「とにかく駄目なんだって!!」

人の姿になった火燐。
椿を部屋から“一歩も”出させないことに必死になっている。そんな火燐の姿に不安がどんどん湧き上がってくる椿。

そんな椿の頭上が薄暗くなっていく・・・