「椿・・・椿!起きろ、椿!!」
意識のない椿を必死で起こす禮漸。そして、術の解けた緑涼たちも駆け寄って必死に椿を起こそうとする。
「椿、起きろ椿!!」
「椿ちゃん!!目覚ましてよ!!」
「おい、いつまで寝てんだよ!!起きろって!!」
「椿ちゃん!!起きて!!」
みんなで必死に呼びかける中「ちょっと待てって!」と深波が冷静にとめる。
「深波君、だって!」
「いいから・・・」
深波はそういうと、椿の首筋に一旦手を当て、何かを確認する。そして、右手を椿の目に当てると何か呪文を口にし始めた・・・。
「ぅう・・・ん・・・」
少し顔が動いた椿。
それを見た深波は、椿の目から手をそっと離し「もう・・・大丈夫だから。」というと、じっと椿の様子を見つめていた・・・。
静かに開いていく瞳。
視界に入ってくる景色を少しずつ感じ取っていく・・・
そして、すべてを確認した瞬間、椿は席を切ったかのように泣き始めた・・・
「椿、ごめん、本当にごめんよ・・・。」
椿を抱きしめながら、ただただ泣き、謝り続ける禮漸がそこにいた。