「そこまでにしてもらおうか、虎黎。」


虎黎の後ろから彼の背中に銃を突きつける隼丸。その両サイドを弦九朗と深波が刀を向けている。


「やだ~っ!!超、物騒だし(笑)」


虎黎は、笑いながらそう言うと「でも、そんなことしていいのかしら?」と余裕の表情で高笑い。
いらっとしながらも、冷静に確保のタイミングを伺う隼丸達。こう着状態の中、禮漸は、必死で動きを取り戻そうと静かに行動していた。




「俺の大事な弟にそんな“物騒なもん”向けてんじゃねぇよ。」




その声がリビング中に広がった瞬間、取り囲んでいた隼丸も、弦九朗も、深波も吹き飛ばされてしまう。

「ひさしぶりだな、禮漸。」

禮漸を見つめながら、不敵な笑みを浮かべる弦龍。その手の中には、気を失った椿が・・・


「弦龍・・・」
「戻ってこいよ、また暴れようや。こうして、また会えたのもなんかの縁だし(笑)」

動けない禮漸の頬を軽くパンパンと叩く。禮漸は、動きにくい口を必死にこじ開けて

「椿を・・・返せ。」と言葉を振り絞った。

「それは出来ないっすよ。この嬢ちゃんは、人質。こんな上玉、やすやすと返すなんて馬鹿じゃねぇんだわ、俺も(笑)」


それを聴いた瞬間、禮漸は両腕を思いっきり動かし突き飛ばすと、弦龍の手の中にいる椿を無理やり取り返してこういった。