美麗は、大きな客室に涼香達を閉じ込めると、部屋中のあらゆる出口を魔法で塞いでしまった。
“本当にこれが正しいのかしら・・・?”
美麗の心に咲いた小さな悩みの花。しかし、その花を彼女は心の中であっさりと踏み殺した。
その頃、部屋の中ではとんでもない事件が発生していた・・・
「ぁあああああああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!!」
「落ち着け!!落ち着けって!」
「やめろって!!」
「やだ~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!椿ちゃん~~~~~~~~~~~!!!!!」
「なにすんねん!!壊れる!!部屋壊れるから!!」
「も~っ!!」
光が、部屋の中で大暴れ。きれいは純白の客室は、もうぼろぼろ。家具はぐちゃぐちゃ。室内大パニック!!
その振動は、フロア全体に広がっていた・・・。
その頃リビングでは、大きな窓から差し込むやわらかい日差しを浴びながら、朝食の時間を迎えていた。
何事もなかったかのように食べる彼らに対し、椿の心の中はモヤモヤとした感情が渦巻いている。そして、その感情のおかげで朝食をほとんど残してしまった。
「なした?椿。ほとんど飯くってねぇべさ。」
「体調でも悪いのか?」
緑涼と禮漸のその問いかけに椿は「ちょっとね。」と少しだけ微笑み、パンを持ってリビングを後にした。その姿を見つめていた蓮流は心配になりあとをつけることに・・・。