「私は、人間が好きじゃないの。だから、人間が住むこの世界を壊すためにこの世に来ました。」
「人間達は、私達魔女を次々に処刑をしていったわ。確かに、人間に危害を加えたものも居るわ。でも、魔女だっていうだけで無差別に・・・私の知り合いも犠牲になったわ、沢山。それが許せなくて・・・」
「でも、あなたのお父様は違ったわ。自分の身を呈して、私を変えてくれたの。私のせいで大怪我をしているのに・・・“たとえ君の友達がそれを望んだとしても、悲劇を繰り返すだけじゃないのか”って・・・」
「私はそれでもよかった・・・でも、同じことを繰り返すということは、また私の友達が犠牲になるって・・・あなたのお父様は、とても立派なお方ですよ。誰からも愛され、信頼されていた方ですよ・・・。」
そう話す美麗の眼に涙があふれている。それに気がついた徳良は、さっと胸元を飾っていたハンカチーフを取り出し、美麗に手渡すのだった。