「う・・・ん・・・」
「椿、大丈夫か?」
「緑涼さん・・・いっ・・・。」
「無理すんじゃねぇべ(笑)」
「でも・・・。」
「もうすぐ着くって。」
「どこにですか?」
「しばらくお世話になる美日月島(みかづきじま)って言う島だべ。」

「・・・おうち帰りたい・・・」

椿の言葉に緑涼は「大丈夫!すぐに帰れるべ!少しの我慢だ!」と声をかける。
数十分後、船は美日月島の玄関口「鬼灯港(ほおずきこう)」に着岸する。その港には、スーツ姿の妖達の影が。その中央には、黒縁メガネのボーイッシュな女性が・・・。
荷物と共に船を降りる祇儀達。椿は、緑涼に抱えられるようにして船を降りる。弦龍と虎黎は、顔に白い仮面を着け、深波と弦九朗、隼丸に囲まれるようにして降りてくる。