「どうしたべ、凛香!」
「いきなり謝るって、訳わかんねぇって!」
いきなりの事で、驚きを隠せない火燐と風燕。呆然とする蓮流と空我。そして、冷静さを保とうとする禮漸と、静かに状況を見ている緑涼。頭を下げ続ける凛香に「なしてそんなに謝るべか?」と言いながら、緑涼は静かに起き上がり、その場で胡坐をくみ始めた。
「この包みを送ったのは、おそらく私の弟じゃ。蓮流が言っていた“白い丸い奴”は、弟の作り出した式(しき)じゃ。」
「式って?」
「自分の為に、自分で作り出す妖、それが式じゃ。これを作る術を使えるのは、高度な能力と知識が必要になってくる。弟は、生まれたときからその能力が強くてな・・・知識はあまりないがな。」
俯いた凛香。その眼には涙が浮かんでいる。そこに一台の大きな車が縁側の前に止まる。勢いよく扉が開くと、祇儀と清澄が飛び出してきた。そんな彼らに続くように広重と遊佐、砂靭、深波、弦九朗、隼丸が降りてくる。そして、なぜか弥勒も・・・