「兄貴!おひさしぶりっす!」
「久しぶりだべなぁ、空我。でさ、聞きたいことあるんだけどいいべか?」
「なんすか?」
「さっきなんだけど、伝書鳩郵便でお前さんからの荷物が届いたんだけど。」
「えっ?俺からっすか?」
「あぁ。」
「俺、兄貴に荷物送ってないっすけど・・・。」
「やっぱり・・・いや、空我の字じゃねぇべなって。」
「誰なんすかね・・・俺もその荷物見せてもらっていいっすか?」
「おう!とりあえず待ってるべ。」
「は~い!」
ガチャ・・・
「違うそうだべ。」
「やっぱりそうっすか(笑)」
「とりあえず直接確認しにくるべ。」
「それまでこの荷物は開けないほうがいいっすね。」
「そうだべな。」
緑涼は、荷物を持って自分の部屋へと向かう。階段を上っているとき、反対側から椿が降りてくる。
「あっ、緑涼さん!おはようございます。」
「おはよう(笑)」
その瞬間だった。緑涼の腕の中にあった怪しい荷物がごぞごそと動き始める。その動きはどんどん激しくなるのを感じた緑涼は、椿に対して「離れろ、椿!!」と大声で叫んだのだが・・・。
パンッ!!
荷物は大きく破裂した。その勢いで階段を転げ落ちた緑涼と椿。その大きな音にびっくりした禮漸も、飛び起きた火燐、風燕、蓮流も慌てて階段のところへとやってきた。
「ぁ、痛ててててて・・・・」
椿を抱えたまま、起き上がる緑涼。椿は、緑涼の腕の中で気を失っている。
「大丈夫だべか?」
「あぁ、大丈夫だべ。」
そういいながら、火燐に捕まりながら起き上がろうとする緑涼。しかし、それを風燕が止める。
“脳震盪を起こしているかもしれないから”と言って。そして、そのまま凛香に連絡した。
「なんなんだ・・・あれ・・・。」
蓮流の視線の先に緑涼達は眼をやる。階段の上でふわふわした白い物が浮いている。そして、くるっと一回転。小さくて丸いそのふわふわとした物は、いきなりケラケラと笑い出すと姿を消した。