「兄貴はいつもいつも、いつもいつも!!もうほっといてくれよ!!ストーカーみたいに行くとこ行くとこ付いて来やがって!自分が行けない時は、蒼に監視までさせて・・・一体何がしたいんだよ!!」
「・・・グスンっ・・・」
「もう言い返せないのか、あぁ?」
「・・・兄貴って言ってくれた・・・(泣)」
「・・・(しまった!!)」
口からポロンと飛び出した“兄貴”というフレーズ。
朱桜は、口が裂けてもこの言葉は言いたくなかったのだが、橙梓と言い争っていくうちに、思わず使ってしまった。顔が真っ赤になると、主桜は、言葉を出すのと止めてしまった・・・。
その頃、春河家では・・・
「あの馬鹿。」
凛香は、広重と共に携帯のメールを見つめている。差出人は清澄。内容はというと・・・
おはようございます。
奥方様が急患で出られた後に、大王様も無断で出て行かれました。
どうやら、電話を聞いていられたようです。そちらに向かわれていると思います。
弦龍と虎黎は、私が監視させていただきます。
私の監督不行き届きでございます。誠に申し訳ございません。
「またっすか(呆)」
銜え煙草でそう話す広重に「本当じゃ(呆)」と返す凛香。そんな彼らの視界が着信を表示する。凛香はその表示を見るなりすぐに着信拒否を連打。広重はため息をつきながら煙草を口から離すのだった。
「あの、みんなで朝ごはん食べませんか?」
椿が部屋にいた全員にそう声を掛ける。
すると、テーブルにはキャベツと大根のサラダに豆腐の味噌汁。沢山のおむすびと漬物などたくさん。
「そうだな。」
「腹が減っては、戦は出来ぬというしな。」
禮漸と広重のその言葉がきっかけとなり、今いるメンバーで先に食事をする事に・・・。