「その新人さん、どんな感じの人なんだべ?」
“うん?兄弟で入ってきたらしんいだけど、お兄さんがちょっと奇抜な感じで、弟さんは優しそうな感じだよ。”
「正反対の兄弟だね。奇抜な兄とやさしそうな弟って。」
“うん。お兄さんお酒呑めないんだって。弟さん、ガンガン飲んでるけど(笑)”
「へ~っ、そうだべか。また機会あったら飲みたいって言っといてよ。」
“了解(笑)伝えとくよ。”
それを聞いた後、緑涼は携帯を凛香に戻すのだが・・・
「正嗣、あの馬鹿にすぐ代わってくれないか。」
その声は明らかに怒っていた。そして、祇儀が出た瞬間・・・
「一緒に飲んでるそうだな(怒)」
その声が空間を冷たくしていく。危険を察した火燐と蓮流は凛香を外す形で部屋に結界を張り、声を聞こえないようにした。不思議に思う椿と月見、そして朱桜たちに「絶対に聞かないほうがいい」と忠告をするのだった。
数十分後
電話を切った凛香。それを確認した火燐と蓮流は結界を外す。
「あの馬鹿ども。よりによって、あの蜘蛛女の店で飲んでおったわ(怒)」
その言葉に、誰よりも驚いたのは椿だった。
「うそ・・・。」
「しかも、奥方も一緒だと・・・何考えておるんじゃろうな。」
「しんじらんない!!」
「じゃろ!それで正嗣から出た言葉は“大丈夫。美佐子も笑いながら飲んでるよ”だって!」
「正嗣、馬鹿すぎる!!」
「おのおっさん!!」
女性陣の怒りは、凄まじいもので男性陣はただ呆然と見つめる事しか出来なかった。