“もしも~し。どしたの?”
「お父さん。」
“えっ、つ、椿!?”
「そうだよ(笑)」
椿はそういうと、今度は携帯を月見に渡した。月見は申し訳なさそうに携帯を受け取ると・・・
「正嗣、ごめんなさい!!ばれちゃった~(泣)」
月見は、泣きながら謝りだした。正嗣は、その言葉を携帯越しに聴いて驚きを隠せない。
そして、次に携帯から聞こえてきたのは凛香の声だった。
「月見も怪我までしてここまでがんばったんじゃ、怒るでないぞ。ちなみに、さっきまで緑涼たちに“畑泥棒”だと思われていたらしいぞ。」
“そうか・・・月見に代わってくれる?”
「了解。」
凛香はそういいながら月見に携帯を渡した。
“月見、ありがとう。怪我してるんだって、あれだけ無理すんなって言ってたのに(笑)”
「だっ・・・て・・・だって、正嗣すごく心配してたんだもん!元気になってほしいし、笑っててほしいし・・・渡しにできるのコレしかないもん!!」
“ごめん、本当にごめん。無理させてたんだね。”
「無理じゃないもん!無理じゃ・・・ないもん!!」
それを聞いた緑涼は、月見に携帯を渡すようにジェスチャーをした。
「正嗣、いつも見てるってこういうことだったんだべな(笑)」
“そうだよ。だってさ、死ぬ前に色々ありすぎてさ・・・心配だったから。”
「おらたちは大丈夫。それより、祇儀さんと飲んでるみたいだけど(笑)」
“いや~。さっきたまたま、祇儀さんと清澄さんと新人さんお二人と一緒になったからさ~(笑)”
「新人さん?」
“そう。今月入ってきたんだって(笑)”
緑涼はそれを聞いてその新人さんが弦龍と虎黎だと確信した。そして、禮漸に聞こえるように彼らのことを聞き出した。