深夜2時
禮漸は、眠る事ができずにいた。部屋の窓を開け、外の月を見ながらキセルに火をつける。
「今日は月が綺麗だな。」
そういいながら、ふと視線を下におろした時、何かが動いているのに気づく。
小さくうずくまる何か・・・
禮漸はそれが何か知りたくなり、部屋を後にした。
その頃、キッチンでは火燐が水を飲んでいた。そこに入ってきた禮漸にびっくりしながらも「どしたべか?」と訪ねる。
「いや、畑に何か動いてるもんが見えるんだよ。でさ、もしこっちだったら捕まえとかないといけねぇなって・・・。」
そういいながら、禮漸はジェスチャーで泥棒を表現。火燐も「俺も見るべ。」と言い、静かにコップを置く。
「とりあえず、緑涼さん起こしたほうがいいよな。」
「うん。そのほうがいいべ。」
火燐は、緑涼の部屋に向かう。その間に、禮漸は棍棒を準備し始めた。
「禮漸。どこだべ?泥棒。」
そういいながら、刀を持った緑涼がキッチンに下りてきた。
そして、彼らは縁側から畑へと向かっていくのだった。
数十分後
「う~ん・・・も~っ・・・」
部屋で眠っていた椿。下の部屋が騒がしい事に気づいて目を覚ます。それは、1階で眠っていた風燕も、蓮流も一緒だった。
「っんも~!!何なんだよ、こんな時間によ(怒)」
「そうだよ・・・何が・・・うん?」
キッチンに入ってきた風燕と蓮流は、部屋の異変に気づく。そして、次に入ってきた椿もその異変に気づいた。
「「「誰?」」」
緑涼と禮漸、火燐が知らない女の子。中央で小さくなったように正座していた。